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続いて円高が建設業の会社に与える影響についても詳しく解説します。
建設業は一見為替とは無関係に見えますが、実際には資材の輸入コスト、機械・設備、海外事業展開などを通じて、円高・円安の影響を受けることがあります。

建設業における円高の影響
【メリット】円高によるプラス影響

① 建設資材・設備の輸入コストが下がる

円高になると、鉄鋼材、銅、アルミ、石材、建設機械などを海外から輸入する際のコストが減少します。

特に大型の建設機械（クレーン・ショベルなど）は海外製が多く、円高は設備投資のチャンスです。

例
大手ゼネコン（清水建設、大成建設など）が海外から部材や機械を調達する場合、コストを抑えられる。

② 海外現地調達が有利に

海外で建設プロジェクトを行う場合、現地通貨建ての経費が安くなる。

例
大手建設会社がアジアや中東でのインフラ建設を請け負っていると、円高のときは人件費や資材コストが相対的に割安になり、利益率が向上。

【デメリット】円高によるマイナス影響

① 海外案件の競争力が低下

海外で入札を行う場合、日本円ベースのコストが高いため、他国企業（例：中国・韓国）の方が安く提案できる。

日本企業の価格競争力が落ちることもある。

例
ODA（政府開発援助）案件などでの受注競争で不利になる可能性。

② 外貨建て受注の円換算額が減る

海外プロジェクトでの収益がドル建ての場合、円高になると売上高が減ってしまう。

例
建設プロジェクトを1億ドルで受注していても、為替が1ドル150円→120円になれば、日本円での売上は15億円→12億円に下がる。

③ 外国人観光客向けの需要が減る（間接的影響）

建設業の一部は、ホテル・商業施設・観光地インフラなどインバウンド関連の建設を担います。

円高になると観光客が減少し、その分の新規開発需要が縮小する可能性も。

建設業の対応策

対応策 内容
為替ヘッジ ドル建て契約や輸入資材購入時に為替予約を行う

現地法人化 海外での事業は現地法人を通じて現地通貨で運営

原材料の調達先分散 複数国からの調達により為替リスクを分散

内需型案件へのシフト 国内建設市場を中心に業務展開してリスクを抑える

建設業における円高影響まとめ

円高の影響

詳細説明
資材・機械の輸入 コスト削減 鉄・機械・資材を安く購入可能

海外現地工事の費用 安くなる 人件費・資材が円換算で安い

海外案件の売上 円換算で目減り 為替レートにより利益減

競争力（海外受注） 他国より不利 提案価格が高くなる傾向

インバウンド関連の建設需要 減少の恐れ 外国人観光客の減少が影響

具体企業例

清水建設・鹿島建設：海外大型案件多数 → 円高で売上減のリスクも

戸田建設・前田建設：国内インフラ中心 → 円高影響は比較的小さい

コマツ（建機）：輸出比率が高く、円高は売上減要因（建設機械製造業）

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